• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

解離片のエネルギー状熊に着目した内殼励起分子の解離機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17685002
研究機関広島大学

研究代表者

岡田 和正  広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (90294511)

キーワード軟X線光化学 / 反応動力学 / 分子内エネルギー移動
研究概要

内殻励起光化学の興味の一つは,分子の内殻励起に伴う特異な反応過程を詳細に調べ,これを積極的に活用することにある。すなわち。適切な単色光を用いて分子内の隣接する原子を識別して光励起すれば,内殻電子の局在性に起因する化学結合切断のメカニズムを探ることができる。その目的のため,本研究では「解離片の運動エネルギー」に着目して内殻励起分子の解離ダイナミクスを考察する。本年度は以下のことを実施した。
フッ素原子を含む有機化合物の内殻励起・解離ダイナミクスについて系統的に調べるために,四員環構造をもつパーフルオロシクロブタンで実験を行った。具体的には,フッ素内殻から様々な励起状態への遷移における,解離生成イオンの収量変化や励起光の偏光に対する解離イオンの角度分布と解離イオン対の相関スペクトルを測定した。データ解析の結果,炭素端と同様,従来Fls→δ^*(CC)遷移と帰属されていた688.5 eVの第一共鳴ピークは,F 1s →σ*(CF)遷移と帰属すべきであるとの結論を得た。解離生成イオンについて,CF^+イオンが最大収量を与えることは炭素内殻領域と同様であったが,フッ素領域ではF^+イオンの収量が増加した。解離イオンの角度分布ではF^+イオンの異方性が顕著に現れた。一方において,解離イオン対の相関スペクトルから,最も多く生成する解離イオン対はCF^+とF^+およびCF^+と CF_2^+であることが分かつた。さらに,分子内転位が起こった後に生じた解離イオンの存在もみいだした。
さらに,今年度はこれまでの研究で得た研究成果の学会発表を積極的に行った。

研究成果

(6件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表

  • [学会発表] 解離イオンの運動エネルギー分布から見た内殻励起Arクラスターの解離機構2008

    • 著者名/発表者名
      岡田 和正
    • 学会等名
      日本化学会第88春季年会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-03-29
  • [学会発表] パーフルオロシクロブタンのCおよびF 1s励起と解離2008

    • 著者名/発表者名
      岡田 和正
    • 学会等名
      第21回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム
    • 発表場所
      草津
    • 年月日
      2008-01-14
  • [学会発表] パーフルオロシクロブタンのフッ素内殻励起・解離2007

    • 著者名/発表者名
      末光 篤
    • 学会等名
      2007年日本化学会西日本大会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2007-11-11
  • [学会発表] 解離イオンの運動エネルギー分布から見た内殻励起分子の解離2007

    • 著者名/発表者名
      岡田 和正
    • 学会等名
      2007年日本化学会西日本大会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2007-11-10
  • [学会発表] パーフルオロシクロブタンのフッ素K殼領域における吸収と解離過程2007

    • 著者名/発表者名
      岡田 和正
    • 学会等名
      第1回分子科学討論会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2007-09-17
  • [学会発表] 角度分解イオン分光法によるパーフルオロシクロブタンの炭素K殼領域における吸収と解離過程2007

    • 著者名/発表者名
      岡田 和正
    • 学会等名
      第23回化学反応討論会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2007-06-14

URL: 

公開日: 2010-02-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi