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2006 年度 実績報告書

気/液界面でのラフトドメインモデルの構築と機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 17685012
研究機関宇都宮大学

研究代表者

飯村 兼一  宇都宮大学, 工学部, 助教授 (10272220)

キーワード生体膜 / ラフトドメイン / Langmuir膜 / スフィンゴ脂質 / コレステロール / マイクロドメイン / 斜入射X線面内回折
研究概要

生体膜におけるラフトドメインは、スフィンゴ脂質とコレステロールを主成分とする固体様のマイクロドメインで、タンパク質の吸着や輸送、情報伝達の場として機能していると考えられている。本研究では、水面上に脂質分子の単分子膜を形成させ、膜分子間あるいは膜と生体物質との相互作用を明らかにすることによって、ラフトドメインの形成や機能、特性を物理化学的に理解することを目的とした。平成18年度は、主として、ラフト脂質であるガングリオシドGM1(GM1)、コレステロール(Chol)、およびスフィンゴミエリン(SpM)の気/水界面での分子間相互作用や充填構造、および下層水に分散させたアミロイドAβの単分子膜への吸着挙動や構造について検討した。
GM1は30℃では液体膜しか形成しなかったが、Cholは30℃でも40mN/mまで安定に存在する凝縮膜を形成した。GM1とCholの間には、水面温度および混合比によらず分子間親和力が働き、30℃でも混合膜(ただし本研究で確認できた範囲としてモル比[Chol]/[GM1]≧1)においては凝縮相が形成されることを明らかにした。単分子膜の面内回折測定の結果によれば、30℃のGM1とCholの混合膜における分子充填構造は、生体膜の内圧に相当するといわれている30mN/mで二次元のヘキサゴナルであり、回折ピークの半値幅から求められる結晶子サイズは数nm以下であった。更には、スフィンゴシン骨格にアミド結合した脂肪酸部構造が系統的に異なる数種のSpMを用いることによって、一連のラフト脂質の混合膜における組み合わせや混合比、水面温度に依存した分子間相互作用や分子充填構造を体系的にまとめることができた。また、アミロイドタンパクの膜への吸着についても検討したが、本研究の範囲では、用いた脂質には関わらず、膜への吸着後は直ちにβシート構造をとることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Structures of Pure and Mixed Monolayers of Cholesterol and GM1 Studied by Grazing Incidence X-ray Diffraction2007

    • 著者名/発表者名
      K.Iimura, M.Miguchi, S.Ooshida, Y.Aizawa, T.Kato, G.Brezesinski
    • 雑誌名

      Trans.Mater.Res.Soc.Jpn. 32

      ページ: 247-250

  • [雑誌論文] How Many Phases and Phase Transitions Do Exist in Gibbs Adsorption Layers at the Air-Water Interface?2006

    • 著者名/発表者名
      M.M.Hossain, K.Iimura, T.Kato
    • 雑誌名

      J.Colloid Interface Sci. 306

      ページ: 391-397

  • [雑誌論文] Interactions of L-Arginine with Langmuir Monolayers of Di-n-dodecyl Hydrogen Phosphate at the Air-Water Interface2006

    • 著者名/発表者名
      M.M.Hossain, K.Iimura, T.Kato
    • 雑誌名

      J.Colloid Interface Sci. 304

      ページ: 200-207

  • [雑誌論文] Surface Phase Behavior of Di-n-tetradecyl Hydrogen Phosphate in Langmuir Monolayers at the Air-Water Interface2006

    • 著者名/発表者名
      M.M.Hossain, K.Iimura, T.Kato
    • 雑誌名

      J.Colloid Interface Sci. 302

      ページ: 272-277

  • [雑誌論文] Weak First-Order Tilting Transition in Monolayers of Mono- and Bipolar Docosanol Derivatives2006

    • 著者名/発表者名
      X.Yue, B.Dobner, K.Iimura, T.Kato, H.Mohwald, G.Brezesinski
    • 雑誌名

      J.Phys.Chem. 110

      ページ: 22237-22244

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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