すでに所有している高速シャッターディスプレイに加え、サイズの異なるパララックスバリアディスプレイを購入し、これらを視聴者端末として、PCサーバを用いた実験用の簡易インターネット放送局を昨年度構築したが、まず今年度はこのテストベッドの拡張を行った。具体的には、2眼立体視カメラを購入し、これを用いた撮影によりインターネット放送用素材を大幅に増大させ、また、CGべ一スの立体映像を拡充したことに加え、端末の増加として液晶バリア型ノートPCを行った。その後、このテストベッドを用いて基礎実験データを取得するとともにネットワークヒステリシス特性の詳細分析を行っている。また、1年目の基本設計を元に「端末アダプテーション技術」を確立させた。このテストベッドにおいて、配信方式としてDRM(Digital Rights Management)は不可欠であるため、本テストベッドではMPEG-4/IPMP(lntellectual Property Management & Protection)ならびにCoFIP(Content FIngerPrinting)も合わせて実装した。さらに立体映像符号化技術に関する研究を進め、従来方式と比較して高能率の符号化方式を提案するとともに、これらの成果、ならびに標準テスト画像の制作等も含めISO/IEC JTC1 SC29/WG11(MPEG)にて国際標準策定作業に携わった。
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