研究課題
高齢化社会における生活の質(QOL)向上を目指し、「骨欠損・骨疾患に対する革新的な治療法の開発」と、「再生された骨組織への新たな診断法の開発」の2点が特に強く求められている。本研究では、骨を構成するアパタイト結晶が、力学的、化学的、生物学的異方性の極めて強い六方晶をベースとしていることに注目し、骨組織の早期機能再生のために、アパタイト/コラーゲンの配向化を与えることを目指した。とりわけ強磁場、応力場といった外場の利用により、原組織に類似の配向化を付与するための画期的な新技術を開発することを目的とした。本年度は、対照群としての、ラット頸骨皮質部欠損モデルの作製を行うとともに、強磁場照射用非磁性動物固定用冶具の作製により、ラット麻酔下での欠損部への強磁場照射を可能とした。さらに、トレッドミルを利用したラット走行実験を行うことで、強制走行による応力過負荷状態を実現した。一方で、応力徐荷モデルとして、尾懸垂、坐骨神経切断モデルを選択し、手術後8過程度までの短期における経過観察を行った。さらに、本研究におけるもう一つのポイントであるアパタイト配向性解析を中心とした材料工学的アプローチに関して、ナノインデンテーター法の基礎条件を探索するとともに、2次元PSPCを駆使した、微小部でのアパタイト配向性解析に関する一連のプロセスを完成した。同時に、同一部分での骨密度とアパタイト配向性の解析が、骨量・骨質の独立したパラメータとして有効であり、再生骨の力学機能(ヤング率)を理解するうえで、極めて重要であることが解明された。
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