ゼオライト膜の粒界制御のためのCVD処理条件を確立する。昨年度示唆された、大きなシリカプリカーサー(デシルトリメトキシシランなど)の蒸着条件を中心に検討した。この時、ゼオライトではなくアルミナ支持体などへの蒸着により、反応性などを調べた。アルミナ支持体への蒸着より、デシルトリメトキシシランなどアルキル基をもつシリカ源は、アルキル鎖の長さが長くなることで反応性が向上することがわかった。さらに、窒素やSF_6などガス透過試験に加え、エタノール水溶液のパーベーパーレーション試験も行った。結晶間隙と結晶中のエタノール透過のパラメータフィッテングを行った。デシルトリメトキシシランをシリカ源としたCVD処理では、粒界透過のパラメータが小さくなり、ヘキシルトリメトキシシランでは全体の透過抵抗が大きくなった。ヘキシルトリメトキシシランでは、反応性が悪いためか、膜表面などに抵抗層が形成されている可能性が示唆された。以上より、長いアルキル基をもつデシルトリメトキシシランをシリカ源に用いることが良いことがわかった。 また、本研究ではメタノールのオートサーマル改質反応であり、水蒸気の透過により目的の温度で制御することを目指している。シミュレーション結果より、酸化反応と水蒸気改質反応のバランスを取るには、酸化反応の制御および水蒸気改質反応の促進が重要であることが示された。特に、水蒸気改質反応の触媒量が計算結果に大きな影響を及ぼすことがわかった。
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