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2005 年度 実績報告書

構造指向剤の複合化による新規構造ゼオライトの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17686070
研究機関東北大学

研究代表者

山本 勝俊  東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (60343042)

キーワードゼオライト / 構造指向剤 / Structure-directing agent / 水熱合成 / 新規物質 / 層状化合物 / 複合化
研究概要

ゼオライトは、分子サイズの均一な細孔や固体酸性などの特異な物性を持つため、触媒や吸着剤として広く利用されている。ゼオライトの細孔径や細孔構造はその吸着能や触媒活性に大きな影響を与えるため、新しい細孔構造を持つゼオライトの合成は重要な課題である。本研究では、容易に入手、あるいは合成が可能で、安価な有機化合物を複合化して構造指向剤(SDA)として用い、新規ゼオライトを合成することを検討した。
合成は、アミン、あるいは四級アンモニウムカチオンを二種類複合してSDAとして用い、母ゲルのOH^-/Si比、H_2O/Si比を一定にしながら、混合比を変化させて行った。SDA複合化の効果が見られたのは、例えばテトラエチルアンモニウムカチオン(TEA^+)のような、合成条件により様々な構造のゼオライトを結晶化させる有機化合物を用いた場合であった。SDAとしてTEA^+を単独で用いた場合に^*BEAゼオライトが得られる合成条件下で、ヘキサメチレンイミン(HMI)を複合化して用いた場合、MHI/TEA^+比が増加するに従い、^*BEA口 MTW口 MFI口層状物質と、得られる物質が変化した。得られた物質の^<13>C CP/MAS NMRスペクトルを見ると、用いたSDAの両者が生成物に含まれる場合と、一方のみが含まれる場合があることがわかった。このことから、用いた有機化合物が複合して型剤として細孔を形作る場合や、結晶核の形成に影響を与える場合など、SDAの複合化は様々な形でゼオライトの生成に影響を与えることが示唆される。
以上のように、二種類のSDAを複合化させることにより、それぞれを単独に用いた場合には得られない物質が合成できることがわかり、このアプローチの有効性が示された。今後は、継続して合成を行うと同時に、これまでに得られた未同定生成物について、X線回折、高分解TEMなどを用いて結晶構造を決定する。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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