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2005 年度 実績報告書

有機臭素系難燃剤の燃焼反応機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17686076
研究機関東北大学

研究代表者

柴田 悦郎  東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (70312650)

キーワード臭素系難燃剤 / テトラブロモビスフェノールA / 融解物性 / 熱力学データ / 酸化アンチモン / 熱分解
研究概要

プラスチック類の有効なリサイクル法の一つとして、焼却により熱回収することが挙げられるが、有機臭素系難燃剤の環境中への排出を避けるためにも、焼却過程においてそれらの完全分解を行う必要がある。更に厄介なのが、有機臭素系難燃剤を臭素源または前駆体とした臭素系ダイオキシン類の生成である。そのため、有機臭素系難燃剤の焼却過程における熱分解および臭素系ダイオキシン類の生成機構を解明する必要がある。そこで本研究では、有機臭素系難燃剤の燃焼実験および分析とともに、量子化学計算および測定により取得した各種熱力学データを用いた多成分系熱力学計算を行い、反応機構の解明を行う。
本年度は、熱重量分析装置の排ガス系にガスクロ-質量分析装置(GC/MS)を接続した装置(TG-GC/MS)を導入した。まず、サンプルはテトラブロモビスフェノールAを用いて測定を行った。不活性雰囲気(He)およびHe-10%の酸化性雰囲気で、サンプルの熱分解(室温〜1000℃)を行い、発生ガスをGC/MSで分析した。その他、各種臭素系有機化合物の融解物性(融点、融解エンタルピー)をDSCで測定した。さらに、臭素系難燃剤などのハロゲン化炭化水素はそれ自体である程度の難燃効果を有しているが、酸化アンチモンを併用することにより顕著な「相乗効果」を発揮するが、酸化アンチモンは高分子中のハロゲン化合物と反応し、順次、ハロゲン化アンチモンとなり気相中に揮発する。そこで、アンチモンをはじめとする様々な臭素化物の蒸気圧ならびに各酸化物の臭素化反応のギブズエネルギー変化を整理し、低温(400℃付近)でハロゲン化しやすく、高温(1000℃付近)で酸化しやすい金属の性質を調査し、酸化物併用時の臭素系難燃剤の分解ならびに高機能代替化合物の可能性を探る基盤とした。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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