17年度、本経費により標題の研究課題について以下の調査を行った。 1. LMと寄生蜂の分布様式に関する野外調査 研究林内の調査プロットにおいて、LM個体数を全樹木個体でカウントし、一部を採集して飼育した。羽化したLMか寄生蜂を回収し同定を行った。その結果をもとに、量的食物網を構築し、その特徴を評価した(投稿中)、 2. LM種間の間接相互作用の解析 各樹木ごとの寄生率と、各樹木でのLM個体数および森林の構造に関するデータを元に、周辺の樹木個体からの効果を考慮した、LM種間の間接相互作用についてのモデルを構築した。これらの要因を、一般化線形混合モデルに取り込み解析した。その際、周辺個体の影響を対象樹種からの距離関数で重み付けし、その程度により複数のモデルを用意し、モデル選択により最適モデルを選択することにより、空間構造=寄生蜂の探索範囲を具体化する。ここで得られた寄生蜂分布の集中度を用いて、数理モデルを再構築し、シミュレーションを行い、樹木個体間のLM相互作用を定式化する。樹木の空間分布様式、あるいは寄生蜂の種により共生-中立-競争の関係が変化し、その森林内での分布が解明した(投稿準備中)。 本研究の成果として、原著論文および総説を発表したほか、国際学会、国際シンポジウム、国内の学会において研究成果を口頭発表した。さらに、複数の原著論文を投稿中および投稿準備中である。
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