研究概要 |
18年度は本経費により、標題の研究課題について以下の調査を行った。 1.広葉樹、樹木上に成立する鱗翅目幼虫群集の群集構造決定機構の解明 研究林内の林冠クレーンを用い、広葉樹10種類に成立する鱗翅目群集を記載し、その構造の決定機構を解析した。(研究業績1,3) 2.LMと寄生蜂の分布様式に関する野外調査 研究林内の調査プロットにおいて、LM個体数を全樹木個体でカウントし、一部を採集して飼育した。羽化したLMか寄生蜂を回収し同定を行った。その結果をもとに、量的食物網を構築し、その特徴を評価した。(研究業績2) 3.LM種間の間接相互作用の解析 各樹木ごとの寄生率と、各樹木でのLM個体数および森林の構造に関するデータを元に、周辺の樹木個体からの効果を考慮した、LM種間の間接相互作用についてのモデルを構築した。これらの要因を、一般化線形混合モデルに取り込み解析した。その際、周辺個体の影響を対象樹種からの距離関数で重みつけし、その程度により複数のモデルを用意しモデル選択により最適モデルを選択することにより、空間構造=寄生蜂の探索範囲を具体化する。ここで得られた寄生蜂分布の集中度を用いて数理モデルを再構築し、シミュレーションを行い、樹木個体間のLM相互作用を定式化する。樹木の空間分布様式、あるいは寄生蜂の種により共生-中立-競争の関係が変化し、その森林内での分布が解明した。(投稿準備中) 本研究の成果として、原著論文を発表したほか、国内の学会において研究成果をポスター発表した。さらに、複数の原著論文を投稿中および投稿準備中である。
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