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2006 年度 実績報告書

鋳型非依存性RNA合成酵素の分子機構、進化の分子的基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 17687010
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

富田 耕造  独立行政法人産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, 研究グループ長 (00345274)

キーワードRNA / 複合体 / 酵素反応 / 合成 / 構造解析
研究概要

CCA付加酵素は、核酸性の鋳型を用いることなくCCA配列を付加することができる唯一の鋳型非依存的RNA合成酵素である。申請者は、クラスI古細菌のCCA付加酵素とRNA、ヌクレオチドのCCA付加反応の開始、伸長、終結反応を表した連続した複数の構造がX線結晶構造解析によって決定し、クラスICCA付加酵素によるRNAへのCCA配列の付加反応における酵素、RNA、そして付加されるヌクレオチドの動的分子基盤の全貌を明らかにした。
その結果、C付加反応においては、CTPによって酵素とRNAの二者複合体の酵素はN末端ドメインが"開いた"構造から"閉じた"構造への変化し、それに伴ってRNAプライマーの3'末端ヌクレオチドがひっくり返り、反応が進行する活性型へ移行し、そしてCTPが付加されることが明らかになった。これはRNAプライマーが酵素へ結合した時点(二者複合体)ではヌクレオチド特異性が決定されておらず、ヌクレオチドによって誘導される酵素、RNAの動的要素によって特異性が決定されていることを示唆する。一方、二つ目のC付加反応後は、酵素は"閉じた"活性型構造に固定化され、ATPが結合すればそのまま反応が進行することが明らかになった。ATP付加反応は、動的なCTP選択反応とは対照的に、RNAプリアマーが結合することによってのみでATPの選択性が決定されていることが明らかになった。さらに、CTPとATPとの識別、特異性の切り替えは、先に述べたクラスIで提唱されているモデルとは異なり、鍵となるアミノ酸残基(Arg224)のコンフォメーションが酵素全体の動的なCTPの取り込みの時と、静的なATPの取り込み反応では異なっていることによって行なわれていることも明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] RNAの3'末端修復の分子メカニズム2007

    • 著者名/発表者名
      富田耕造
    • 雑誌名

      実験医学 (羊土社) 25

      ページ: 13-18

  • [雑誌論文] タンパク質合成を支えるtRNAの成熟化2007

    • 著者名/発表者名
      富田耕造
    • 雑誌名

      生化学 (日本生化学会) 79

      ページ: 222-228

  • [雑誌論文] Complete crystallographic analysis of the dynamics of CCA sequence addition.2006

    • 著者名/発表者名
      Tomita K, Ishitani R, Fukai S, Nureki O.
    • 雑誌名

      Nature 443

      ページ: 700-7004

  • [雑誌論文] Crystal structures of leucyl/phenylalanyl-tRNA-protein transferase and its complex with an aminoacyl-tRNA analog.2006

    • 著者名/発表者名
      Suto K, Shimizu Y, Watanabe K, Ueda T, Fukai S, Nureki O, Tomita K.
    • 雑誌名

      EMBO J. 25

      ページ: 5942-5950

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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