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2005 年度 実績報告書

シアノバクテリアの概日振動発生における転写翻訳制御機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17687017
研究機関早稲田大学

研究代表者

岩崎 秀雄  早稲田大学, 理工学術院, 助教授 (00324393)

キーワードシアノバクテリア / 概日リズム / KaiC / 二成分情報伝達系 / 蛋白質リン酸化
研究概要

シアノバクテリアでは概日リズム発生の主要因が転写翻訳フィードバックではないことを最近明らかにした(Tomita et al. 2005;Nakajima et al.2005)。いっぽう,以前の研究から,殆どすべての遺伝子プロモーターが時計の支配下にあることもわかっていた。そこで,転写翻訳フィードバックに依存しない時計機構が,どのようにゲノムワイドな発現調節を行いうるのかを解析することがこの研究の主目的である。このために,私たちは主としてゲノムワイドな発現プロファイルのマイクロアレイを用いた解析と,時計蛋白質Ka, iABCと遺伝子発現を仲介する因子の探索の二項目に関して研究を行ってきた。
前者については,SynechococcusのマイクロアレイをAffymetrix GeneChipを用いて調査し,従来のプロモーター活性ではなくmRNA蓄積レベルで少なくとも全ゲノムの30%以上の遺伝子産物が概日振動していることが明らかになり,kai遺伝手欠失によってこれらが消失することも確認出来た。
後者については,KaiC結合ヒスチジンキナーゼSasAのパートナーとなる応答因子の探索を行い,有力な候補SyelRR16を得た。sasA同様,syelRR16欠失株においても転写リズムは著しく減衰した。興味深いことに,SasAの自己リン酸化ならびにSyelRR16へのリン酸基転移反応は,KaiCのリン酸化リズムの程度に応じて顕著に変化することが明らかになった。SyelRR16は典型的なOmpR型DNA結合蛋白質であることから,KaiABC蛋白質による翻訳後修飾レベルの基本振動が,SasA->SyelRR16のリン酸化リレーと介して転写調節に変換されることが強く示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] No transcription-translation feedback in circadian rhythm of KaiC phosphorylation.2005

    • 著者名/発表者名
      Tomita, Nakajima, Kondo, Iwasaki
    • 雑誌名

      Science 307

      ページ: 251-254

  • [雑誌論文] Reconstitution of circadian oscillation of cyanobacterial KaiC phosphorylation in vitro2005

    • 著者名/発表者名
      Nakajima, Imai, Ito, Nishiwaki, Murayama, Iwasaki, Oyama, Kondo
    • 雑誌名

      Science 308

      ページ: 414-415

  • [雑誌論文] 生命リズムへの複眼的まなざし:生物リズムの文化誌と分子機構2005

    • 著者名/発表者名
      岩崎秀雄
    • 雑誌名

      科学(岩波) 12月号

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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