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2007 年度 実績報告書

突発的洪水に対する流出モデルの開発と検証

研究課題

研究課題/領域番号 17688010
研究機関京都大学

研究代表者

宇波 耕一  京都大学, 農学研究科, 准教授 (10283649)

キーワード洪水 / 浅水方程式 / 有限体積法 / 内部境界条件 / 小ダム / 流出モデル / 内陸谷 / サバンナ
研究概要

サバンナにおける洪水は,数時間の時間スケールで現象が急変する非定常過程であるが,それを再現できる物理的流出モデルの整備が不十分である。そこで,ガーナ国北部州トロン・クンブング郡のGbullung-West内陸谷を対象地区として絞り込み,そこで発生しうる突発的洪水を計算機上で再現するモデルを開発した.この地域における伝統的農法としては,雨季に表れる一時的湿地帯での稲作が特徴的であるが,Gbullung-West内陸谷では,近年,そのような一時的湿地帯を堰き止める形で6基の小ダムが建設されている.モデルは,2次元浅水方程式に対する有限体積スキームにダム洪水吐や道路構造物などを表現する内部境界条件を組み入れたもので,2007年8月までに得られたデータを用いてモデルパラメータの同定ならびに検証を行った.ところが,2007年9月に,ガーナ国北部州において実際に大規模な洪水が発生したので,その際のデータを2008年1月の渡航時に回収して解析することにより,モデルの信頼性をさらに高めた.従来,サバンナの洪水時におけるダムの湛水と決壊を同時に数値解析することは非常に困難であると考えられていたが,開発したモデルによりこれらの難点を克服することができた.これは主として,新たに導入したフラックス分割や水深関数の再構成手法によるものである.また,観測データと計算値の不一致は,現地の植生状況や表層土の状況により十分説明のできる程度のものであった.研究の成果は,米国土木学会水理工学誌に掲載予定となり,また,インド共和国ニューデリー市にて2009年1月に開催された「水・環境・エネルギー・社会に関する国際会議」において基調講演として報告した.一方,日本国とガーナ国における雨水利用と治水に対する工学的アプローチを総括し,図書の一章として米国の出版社から刊行した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Case Study : Hydraulic Modeling of Runoff Processes in Ghanaian Inland Valleys2009

    • 著者名/発表者名
      Koichi Unami, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Hydraulic Engineering, ASCE 135(7)(in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] Application of Shallow Water Equations Models for Water Hazards Problems2009

    • 著者名/発表者名
      Koichi Unami
    • 学会等名
      International Conference on Water, Environment, Energy, and Society (WEES-2009)
    • 発表場所
      New Delhi, India
    • 年月日
      2009-01-12
  • [図書] Computational methods supporting rainwater harvesting technology, Chapter 4 in Water Resources Research Trends2008

    • 著者名/発表者名
      Unami, K., T. Kawachi, S. Maeda, and J. Takeuchi
    • 総ページ数
      167-193
    • 出版者
      Nova Science Publishers

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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