研究課題
(1)地すべり地各地における現地踏査および電磁気特性調査日本全国各地の地すべりから、クロスホールレーダ法の適用性試験地の選定のため、透過電磁波による予備的試験を行った。高知県の破砕帯地すべり、新潟県中越地区における豪雨・地震複合型すべり、静岡県牧ノ原台地の砂礫質地盤下の泥岩をすべり層とする地すべり、鹿児島県のシラス台地等の斜面災害地で電磁気特性(非誘電率・比抵抗値)の概算値を把握した。(2)豪雨時における不飽和帯の水分変化特性の把握上記の候補地のうち、静岡県、高知県のフィールドについては、台風に伴う豪雨前後に計測を行い水分変化を把握した。その結果、表土では数%〜10%近い堆積含水率の変化が見られたが、地表から50cmないしは1m程度以深の下層土での平均体積含水率の変化は約1%以下と少ないものであった。これは砂礫を含み透水性の高い下層土に対し、比較的透水性が低い表土によって透水量が規制されるためと考えられる。また不飽和帯における間隙水圧上昇プロセス解明のために必要な時間間隔は30分以下、理想的には10分程度と考えられらた。(3)微小変化検出のためのマルチ受信システムの開発上記のように豪雨時における浸透現象把握には、微小変化の検出ができ、1回の計測に要する時間が短いシステムが必要とされる。そこで高速かつ反復性の高いシステムの開発のため受信アンテナを複数化のために、高感度光電界センサの試作を行った。従来の光電界センサは透過型レーザ方式であるため、十分な受信感度を確保するためには非常に強い光源を必要するため取り扱いも難しく野外計測の際にはセンサの消耗や破損等の問題があった。そこで反射型レーザ方式を導入した。この結果光源強度を1/数10〜1/100程度に抑えることができ、また感度も従来法より4倍以上向上できた。その上で、同センサの方位特性や、試作した4個のセンサの受信特性の個体間差等、基礎的データを取得した。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
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