研究課題
本年度は送信部の試作を行った。当初はアンテナとケーブル間の干渉をなくすため電界-光(EO)変換素子を用いて伝送ケーブルを非金属化する予定であったが、予備実験を行った結果、送信波形の安定性が金属製のものよりも悪くまた出力も不十分であり、電池の消耗も激しいため長時間の浸透現象把握には適さないことが分かった。そこで電磁波の減衰率が高い高水分土壌でも十分計測可能な、増幅装置付の金属管型送信部を新たに試作した。昨年度開発した光電界センサとともに送受信測定系を構築し、電波暗室において計測の周波数特性、アンテナ長の影響、共振周波数およびピーク出力等の基礎緒言を把握した。前年度現地踏査を行った地すべり試験地について地下水位の挙動とそれに伴う移動量の把握のために基礎的な調査を実施した。地下水位観測計および移動量観測計を設置し常時観測を行った結果、同地区では豪雨等に鋭敏に地下水位および移動量が反映していた。同地区においてクロスホール計測用の観測孔を設置した。試験地の電磁波の透過特性は若干粘土質ではあったが土壌溶液濃度が低く地盤の導電率は低いため減衰はそれほど顕著でないため、開発したシステムによっても数m間隔のクロスホールレーダ計測が可能と考えられた。一方、透過電磁波データより豪雨時の不飽和帯水分移動特性を逆解析によって把握するスキームを開発した。その成果は物理探査学会優秀発表賞を受賞した。これらの技術をもとに来年度は現地実証試験を実施する。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
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