肺の枝分かれ形成に関しては、Heidelberg大学のDirk Hartman氏と共同で厳密な自由境界モデルを作製し、また、そのモデルの予測を実験的に検証したデータを論文にまとめ、現在投稿中である。さらに、肺の上皮と間葉の共培養系を確立し、通常では上皮の伸長を起こさせない肺の基部側の間葉でも共培養系下では上皮の伸長を引き起こすことを見いだした。これは、枝別れの部位があらかじめ決まっているのではなく相互作用に寄って動的に決められていることを示す重要な所見である。 四肢に関しては、反応拡散系で特殊な条件下で見られる複合モードパターンがDoublefoot突然変異マウスの四肢で実際に見られることを発見し、また理論的な解析を行った論文をJournal of Theoretical Biology誌に発表した。また、inhibitorの候補としてBMP4を取り上げ、activatorとの相互作用および拡散係数の差について実験をセットアップしている最中である。 頭蓋骨の縫合線に関しては、分子の相互作用がどのようにモデル化できるのかに関してほぼ実験が完了し、実験結果とあわせて投稿準備中である。
|