ダイナミックな動態を示すウイルス因子の解析には、同一の生細胞をリアルタイムで、連続的に観察するといったウイルス因子の動態解析が極めて重要となってくる。本研究では、最新のイメージング技術を駆使して、生きた感染細胞において、HSV(herpes simplex virus)がコードする様々なウイルス因子の動態を訂視化する。そして、従来の研究手法では見いだせずにいた、ウイルス因子の新たな側面を明らかにし、HSV増殖機構の新たなパラダイムを構築することを目的とする。本年度は、研究遂行の上で重要な以下の組み換えウイルスの作製を試み以下の結果を得た。 (i)HSVのカプシドタンパク質UL35、局在が異なる2つのテグメントタンパク質UL47およびUL49、エンベロープタンパク質gBをそれぞれVenus、mRFP、ECFPで標識した組み換えウイルスを培養細胞内での相同組み換え法を用いて作製を試み、UL35/Venus、UL47/Venus、UL47/mRFP、UL49/Venus、UL49/mRFP、gB/ECFPの6種類の組み換えウイルスの作製に成功した。 (ii)(i)で作製された、それぞれの組み換えウイルスを共感染させ、2色の蛍光を発するプラークをスクリーニングすることによって、UL35/Venus-UL47/mRFP、UL35/Venus-UL49/mRFP、UL35/Venus-gB/ECFPの3種類の組み換えウイルスを作製した。
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