研究課題
1)前年度までの研究結果から、DNA-PKの重要な制御標的である可能性が極めて濃厚と考えられるXRCC4について、更なる検討を進めた。リン酸化部位欠損変異体の性状および放射線応答解析などから、これらの細胞で実際にDNA二重鎖切断修復能が低下していることが強く示唆された(投稿準備中)。2)XRCC4およびDNA ligase IVに結合する分子として18年初頭に報告されたXLF(XRCC4-like factor、別名Cernunnos)について、DNA-PKの基質となる可能性を検討した。具体的には、XLF遺伝子全長をクローニング後、Hisタグ融合タンパク質を作製し、私がこれまでの研究過程で精製したDNA-PKを用いて、in vitroリン酸化実験を行った。その結果、XLFがDNA-PKによってリン酸化を受けることが明らかになった。また、in vivoでのリン酸化解析や局在、発現量解析のため、XLFに対するウサギポリクローナル抗体を作製した。3)前年度までに、XRCC4の損傷クロマチンへの結合を解析する方法を確立した。本年度は、DNA-PKの阻害剤、siRNAなどを用いた解析から、XRCC4の損傷部位への動員にはDNA-PKcsは必要ないことなどが分かった。しかしながら、クロマチン結合状態にあるXRCC4は、リン酸化フォーム(DNA-PKによるものと考えられる)に富んでいることから、リン酸化が損傷部位への動員と連動して(直後に)起こると考えられた(投稿中)。4)DNA-PK、XRCC4などと放射線感受性の関係について、臨床医(札幌医科大学放射線科、坂田耕一准教授、染谷正則助教ら)との共同研究を行った。リンパ球におけるDNA-PK活性の個人差と癌罹患性との関係を見出し、また、DNA-PKの3つのサブユニットの転写制御機構に関する新たな知見などを得た。
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