研究概要 |
CpG DNAの上気道粘膜免疫への応用 CpGモチーフはTLR9のリガンドであり、免疫賦活作用を有している。前年度までにCpG DNAの粘膜アジュバントとしての安全性と有用性、またワクチン抗原としてインフルエンザ菌のP6外膜タンパクを用いた経鼻ワクチンの効果について明らかにしてきた(Laryngoscope 2006,Laryngoscope 2006)。今年度はさらにこの実験系を発展させた。P6とCpGの経鼻ワクチン投与後、さらに中耳にCpG DNAを局所投与することにより、中耳粘膜におけるP6特異的IgA粘膜免疫応答を増強することに成功し、新しい中耳炎治療の可能性が示唆された(Acta Otolaryngol 2007,in press)。 Flt3 ligandの経鼻ワクチンへの応用 Flt3 ligand(Flt3L)は樹状細胞の増殖因子である。Flt3Lを経鼻的および経腹腔的に投与した後、P6経鼻ワクチンを投与した。その結果、経鼻的Flt3L投与は局所および全身の抗原特異的免疫応答を増強させた。このことからFlt3L投与は経鼻ワクチンの新戦略になりうることが示唆された(耳鼻免疫アレルギー2006)。 インフルエンザ菌P6 DNAワクチンの作製 インフルエンザ菌P6のT細胞およびB細胞エピトープをコードしているDNA塩基配列をクローニングベクターに組み込み、これからさらに組み換え発現プラスミドベクターを作製し、P6のDNAワクチンを作製した。動物実験にてその有用性について検討した。
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