1.測定システムの小型化 1)電子回路部の小型化 携帯型6自由度顎運動測定器の試作器を2台製作するため昨年度購入したorsys社製組込用小型DSPボード(mlC6713Compact)に加えml6713Compact×1、システムのデータ入出力部分(Signal Ware社製ml6713Compact用 A/D_D/A ORS-116-12-12R>×2、開発ソフト(ml6713Compact DSP API Compact、ml6713Compact FGPA API Compact、ml6713Compact Non-Volatile Data Strage、Code Composer Studio、JTAGエミュレータ)を購入し現在測定電子回路部の小型化を進めている。 2)検出機構部の小型化 一対の三軸コイルを用いた測定方式は磁場を発生させる1次コイルと磁場を検出する2次コイルをそれぞれ上下顎に固定して顎運動測定を行うためシステムの携帯化にはこれら検出機構部の小型化が不可欠である。三軸コイルを小型化することで測定信号のS/N比が低下するが、2次コイルの設置位置を変更したりコイル線材の直径を0.1mmから0.025mmに変更し巻数を増加したりすることで対応し測定信号のS/N比の向上と小型軽量化(従来の2次コイルに比較して体積で1/4、重量で1/10)を両立した。このあらたに開発した2次コイルの評価実験を行ったところ、従来の2次コイルに比較して位置分解能は0.15μm前後と20倍以上向上した。詳細については、来年度4月22日に愛知で開催される日本顎口腔機能学会にて報告する予定である。 2.携帯型6自由度顎運動測定器試作器 本年度の研究計画では、測定システムの小型化の仕様決定後、試作器を製作する予定であったが2次コイルの小型化に多くの研究時間を割くこととなり達成できていない。しかし、センサの小型を実現できたことで研究期間内での測定システムの完成に目途がたった。 なお本年度の研究成果一部は、第115回日本補綴学会(北海道)、第37回日本顎口腔機能学会(東京)、The 1^<st> International Symposium and Workshop(淡路)、The 85^<th> IAD(New Orleans)にて報告した。
|