研究課題
1.新しい決定グラフによる論理関数表現である「根共有型二分決定グラフ」を定式化し、この表現を利用した、超電導デバイスによる論理回路のための論理合成手法を開発した。本手法をベンチマーク回路を用いた計算機実験により評価し、この表現手法が先端デバイスによる集積回路設計に適用可能であることを示した。この成果をまとめ学術論文として公表した。2.論理関数を表現する決定グラフの特徴の一つとして変数順序に着目し、その特徴をとらえるパラメータを導入した計算モデルである、「部分順序付き1回読み分岐プログラム」を定式化した。N個の論理変数のうち分岐プログラム上の順序が固定された変数の個数をパラメータとする。このパラメータを変化させたとき、Nに対し多項式サイズの分岐プログラムで表現できる論理関数のクラスを評価することにより、モデルの計算能力を解析する。その結果、順序が固定された変数の個数がNのk乗根の場合とNのk/3乗根の場合について、部分順序付き1回読み分岐プログラムの計算能力が真に異なることが明らかになった。この証明は、kに応じて論理関数族を定義し、この関数族を表現する分岐プログラムの上界および下界を示すことによる。これにより、よく知られている決定グラフのクラスである1回読み分岐プログラムおよび二分決定グラフの中間に、パラメータの値に応じた分岐プログラムのクラスがそれぞれ定義され、これらに対応する論理回路の複雑さのクラスに階層構造があることが示された。
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IEICE Trans. Fundamentals Vol. E90-A,No. 1
ページ: 257-266
電子情報通信学会技術研究報告コンピュテーション研究会 COMP2006-41
ページ: 1-8