研究課題
非述語的多相型付けを許した体系におけるプログラム融合変換の有効性について検討した。これまで融合変換が不可能だった、再帰的計算の途中結果を消費しながら計算を行う再帰プログラムのうちいくつかの例はこれによって融合可能となるが、非述語的多相型付けという条件が厳しいため、融合変換のプログラム例の収集や、非述語的多相型付けを可能にするような原始プログラムの有効な変形手法について満足できるものには未だ至っていない。先行研究である、累積変数付きの関数の融合変換に関してより深い理解が必要と考え、これについて現在共著論文を執筆中であり、これを近日投稿予定である。この共同研究を含め、非述語的多相型付けのみにこだわるのではなく、他の融合変換手法でより条件の緩やかな手法を援用して問題を解決することについても検討中である。また関連研究として、型主導のプログラム変換において、型をより一般的な命題とみなしたとき、最近注目を集めているSeparation logicを用いてメモリに関する破壊的操作を許すようなプログラムの変換が可能ではないかと考えた。特に、メモリに関する破壊的操作を許すような逐次プログラムから、並列プログラムへの自動変換に有効ではないかと考え、手始めとしてデータ並列プログラムに関するSeparation logicを用いたプログラム論理を与え、これの概要を国際研究集会SPACE'06で発表した。この内容を正式にまとめたものが7月に開催予定の国際会議International Conference on Algebraic Methodology and Software Technology, AMAST'06において受理され、発表予定である。
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SPACE 2006 : Third workshop on semantics, program analysis and computing evironements for memory management (unofficial proceedings)
ページ: 101-104