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2005 年度 実績報告書

離散アルゴリズムの性能保証自動化パラダイム

研究課題

研究課題/領域番号 17700014
研究機関京都大学

研究代表者

堀山 貴史  京都大学, 情報学研究科, 助手 (60314530)

キーワード離散アルゴリズム / 性能保証 / 計算機援用 / オンラインアルゴリズム / ナップザック問題
研究概要

情報化社会の大規模化と多様化は、計算機による処理能力の向上と処理対象への柔軟な適応によるところが大きい。これは、コンピュータの処理速度の向上に顕著に見られるハードウェアの進歩に加えて、ソフトウェアのアルゴリズム革新に支えられている。ここに、アルゴリズムの設計と性能保証があらゆる分野の基礎として重視されてきている。アルゴリズムの性能保証には、理論的な性能解析が必要不可欠であるが、アルゴリズム設計と同じく人手で行っており、設計者の職人芸的なセンスに依存するところが大きい。本研究の主題は、アルゴリズムの理論的性能解析に計算機を援用することにある。これにより、定型的作業の負荷を減らし、思考の抽象度を高めることによる生産性の向上が期待できる。
本年度は、将来の入力が分からない状況をモデル化したオンライン問題において、計算機援用によるアルゴリズムの性能保証に関する研究を行った。オンライン問題の性能保証の尺度として、将来の入力も含めたすべての入力を知っていると仮定した「神様」の行動にどれぐらい近づけるかを理論的に示す競合比が用いられる。計算機援用により、この競合比の上下限の解析を行った。
2ビンのオンラインナップザック問題では、入力として時系列に大きさ1未満のアイテムが与えられる。各アイテムが与えられた時点で、将来どのような入力が与えられるか分からない状況で、そのアイテムを(1)大きさ1のビンに入れる、または(2)捨てるという行動を選択する。最終的に、1つのビン中のアイテムについてその大きさの和を可能な限り最大化するのが目標である。このモデルの競合比は、従来の結果では上限が1.3334,下限が1.2808であり、上下限に開きがあった。この上下限の差を縮めるためには、解析に膨大な場合分けが必要となるアルゴリズムを設計しなければならない。本研究では、この問題に対して計算機による競合比の自動解析を行い、上限と下限が1.3012で一致することを証明した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Automated Competitive Analysis of Online Problems2005

    • 著者名/発表者名
      T.Horiyama, K.Iwama, J.Kawahara
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告 105・344

      ページ: 5-12

  • [雑誌論文] Hajos Calculus on Planar Graphs2005

    • 著者名/発表者名
      Y.Hanatani, T.Horiyama, K.Iwama
    • 雑誌名

      Proc. 4th Japanese-Hungarian Symposium on Discrete Mathematics and Its Applications 4

      ページ: 76-83

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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