研究課題
例えば大学の研究室配属において、各学生が研究室を志望順に順位付けし、同様に各研究室が学生を順位付けし、それらの希望に基づいて「安定条件」を満たす配属を求める問題を安定結婚問題という。この問題は、特に病院に研修医を配属することに応用されており、世界でも5つほどの応用例がある。日本でも最近、研修医配属に本問題を利用し始めたことで、注目を集めている。希望リストに同順位と不完全性を許した場合に、1つの例題に対して様々なサイズの安定マッチングが存在することが、これまでの研究から分かっている。また、それらの中で最大サイズのものを求める問題がNP困難であることも既に知られている。本研究の課題の1つは、実用的時間内でできるだけ最大サイズに近い安定マッチングを求めるアルゴリズムを開発することである。最大サイズの半分以上の安定マッチングを求めるアルゴリズムは簡単に構築できるが、それを本質的に改良することの可否が未解決であった。本研究において、少なくとも1/1.875のサイズの解を求めるアルゴリズムを開発し、この未解決問題に答を与えた。このアルゴリズムは逐次改善型であり、与えられた安定マッチングのサイズを増やすことができ、応用も広い。この結果は、2007年のACM-SIAM Symposium on Discrete Algorithms(SODA)で発表した。またその後の研究で、上記の1.875という値を1.8にまで改良した。
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Proc.18th ACM-SIAM Symposium on Discrete Algorithms (SODA 2007)
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電子情報通信学会 総合大会 予稿集
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IEICE TRANSACTIONS on Information and Systems E89-D No.8
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