研究概要 |
計画の初年度にあたる平成17年度は,2部グラフの辺彩色問題に対するO(m log Δ)時間の厳密アルゴリズム開発・実装の準備期間として以下を実施した. 1.既存の緒アルゴリズムの整理・再検討 2部グラフの辺彩色問題の高速解法の多くが用いているKapoor-Rizzi(2000)による正則2部グラフの完全マッチング問題に帰着する手法を再検討した.彩色問題にこの手法を用いる場合は,Takabatake(2005)に示したように,グラフの次数を一時的に増加させる手法も有効であることが確認できた. 2.関連する緒問題に対する技法の調査 辺彩色問題が帰着されるマッチング問題を含む,ネットワーク型の最適化問題に対する解法の調査を行った.これらの問題に適用されているスケーリング技法を応用することが,本研究の目標とするO(m log Δ)時間の厳密アルゴリズムに効果的との感触を得た. 3.応用への考察 辺彩色アルゴリズムの応用例に挙げられるスイッチ制御に,諸アルゴリズムを実装するための前段階として,FPGAキット・組み込みLinuxキットの操作を修得し,知見を蓄積した.この過程で,実際のスイッチに欠かせない,ブロードキャストや,IEEE 802.1Qで規格化されたタグVLANといった技術に対する,定式化および高速アルゴリズム開発の必要性を認識した.
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