| 研究概要 |
本年度は,代数的仕様を利用したソフトウェア移植支援法の確立をめざし、以下の研究を行った。
1.プラットフォーム仕様の記述方式の決定と記述例の作成
プラットフォーム仕様の中で、プログラムにもっとも大きな影響を与えるのはライブラリの仕様である。本年度は移植支援に適したライブラリ仕様の記述方式を定めた。また、具体的なプラットフォームとしてUNIXとWindowsについて、C言語のライブラリ仕様の記述例を作成した。また、ライブラリ仕様はその量が膨大であるため、記述を自動生成する方式について検討した。
2.プラットフォーム仕様の差分抽出法の確立
プラットフォームの違いがプログラムに与える影響を分析し、移植支援に必要なプラットフォーム仕様の差分を分類した。分類に従い、プラットフォーム仕様の差分の抽出および表現形式を決定した。
3.ソフトウェア仕様の変更法の検討およびツールの作成
プラットフォームに対するプログラムの依存関係から、ソフトウェア仕様の変更法が決定される。移植支援に適したソフトウェア仕様の記述方式を定めた。抽出されたプラットフォーム仕様の差分に対して、ソフトウェア仕様の変更法について検討した。また、代数的仕様の存在しないプログラムに本手法を適用するために、プログラムからソフトウェア仕様を生成する方法についても検討した。プラットフォーム仕様の差分を利用して、UNIXとWindowsの間でC言語プログラムを移植する際に、変更すべき箇所を抽出するツールを作成した。
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