研究概要 |
楕円曲線暗号を利用したいくつかの暗号方式には、0,1の系列から楕円曲線上の点にマッピングする特殊なハッシュ関数を使用した方式がある。このハッシュ関数は"MapToPoint"と呼ばれており、楕円暗号ベースの暗号系を高速化するためには、この関数を高速化させることが主要な要件となる。現在提案されているMapToPointは楕円曲線上の点を出力するものしかなく、超楕円曲線上の点を出力するものについてはあまり研究されていなかった。このため、我々は既存手法を拡張することでC/Fpm : y^2=x^P-x+1型の超楕円曲線上の点を求める高速なMapToPointを構成できることを示した。また、楕円曲線理論に基づくペアリング関数について、高速化の研究を行った。この関数を用いると、認証機能付き公開鍵暗号系であるID-Based Encryption、既存方式より短い署名長ですむShort Signatureなど、従来にない特性を有する電子署名方式を構成することが可能である。本研究のアプローチとして、我々は、Ordinary Curveにおける効率的なペアリングの高速化を試みた。具体的には、Etaペアリングを一般化した、Ateペアリング、Twisted Ateペアリングに対し、Etaペアリングのループ回数削減手法を適用することにより、ループ長を短縮したOptimized Ateペアリング及びObtimized twisted Ateペアリングを提案した。これらの取り組みにより、電子署名の高速化について検討を行った。
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