研究概要 |
申請者らはこれまでに秘密分散共有法の一種である(k,n)しきい値法を利用した秘密分散ストレージシステム(以下SSSS:Secret Sharing Storage System)を提案している。SSSSは(k,n)しきい値法を利用しているため、従来のネットワークストレージシステムに対して、よりネットワークやハードウェアの障害に強く、より秘密データの盗聴に強いなどの利点を有している。しかし、秘密分散共有法における符号化・復号化処理は多くの時間がかかり、その高速化が重要な課題の一つである。本研究課題の主な目的は、(1)ネットワークのトポロジーに対して最適なシェア配送を実行する分散アルゴリズムの開発、(2)JGN IIを用いた広域網上での実証実験によるSSSSの評価を行うことである。平成17年度では以下のタスクを遂行した。 リレーショナルデータベースにおいてシステムのパフォーマンスを向上させるために利用されているVertical Partitioning(VP法)というリレーション分割技術をSSSSへ適用した。データのサイズを考慮することによるSSSS向けのVPアルゴリズムを提案し、計算機実験によりその有効性を確認した。これによりシェア配送の効率化が行える。 これまでSSSS実行環境はSun Solaris上で開発されていた。実験環境の整備のため実行環境をFedora Core(Linux)上へ移植した。また、実験用PCをJGN II上に配置した。実証実験は平成18年度に行う。
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