研究課題
前年度では、コンピュータソフトウェアの著作権保護を可能とする計算機システムの実現するための、評価環境を構築するためにハードウェアプラットフォームであるRICEとそのライブラリ(IP、ファームウェア、ドライバなど)の整備し、それらが正常に動作することを確認した。本年度は、その環境を用いて具体的にアプリケーションを開発することで、提案するシステムの性能評価を行った。我々の提案する安全な計算機システムの基本アイデアは、プロセッサとメモリの通信時間にデータの暗号化および復号化の処理を隠蔽することで、従来システムの処理性能を低下させることなく、安全性を向上させることができることである。また、その処理を従来の高速ではあるが柔軟性のないハードウェアや柔軟性はあるものの多くの処理時間を必要とするソフトウェアで実現するのではなく、柔軟なハードウェアであるリコンフィギャラブル・ロジックで実現することで、高い安全性と継続的に提供できることである。提案するシステムを評価対象である従来システムとしてRICEを用いた時の基本性能評価を行った。その結果、プロセッサに用意されている複数のメモリ・インタフェースでは通信バンド幅の違いがあること、通信粒度の違いによってプログラミング手法を変更すべきであることが確認できた。また、ベンチマークソフトウェアを用いたプロセッサによる暗号・復号化処理は非常に負荷の高い処理であり、単純な読み込み操作において暗号化処理を実行すると通信バンド幅が1/30に低下することも併せて確認できた。最後に、提案するシステムの性能評価を行った。その結果、プラットフォームに用いたFPGAにおいて、数百Mbpsのスループットを実現できることから、提案システムでは暗号・復号処理を実装しても通信バンド幅がほとんど低下しないことが確認できた。これにより、提案したシステムが効果的に具現化できることを証明できた。
すべて 2006
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Proceedings of International Technical Conference on Circuits/Systems, Computers and Communications 2
ページ: 157-160