本研究では、問題解決を目的とした文書作成支援型知識マネージメントシステム(Documentation MAnagement system for Problem Solving : DMaPS)の構築を目的としている。そのために、問題解決の支援、文書と形式化された知識の蓄積、文書からの知識の獲得というループの実現を目指している。本年度は、「問題解決の支援」と「文書からの知識獲得」を目標として、既存の文書からのトラブル事例の抽出についての研究を行った。本研究では、新聞記事などから、ユーザが直面している問題に関連する訴訟の記事などを検索し、その検索結果から、関係する利害関係者とその関係を抽出する方法についての検討を行った。この方法ではシーズとして与えたキーワードを含む新聞記事を検索し、基本的な文型パターンを用いて、そこからキーワードとして与えられた課題で発生する可能性のあるトラブルに関する情報を抽出する。現時点で作成したシステムにより、一定数の情報は獲得できることが確認できたが、まだ、実際に新聞に書かれている内容の一部からしか情報が獲得できていない。そのため、パターンの自動生成も含む新たな研究課題を設定し、研究を行っている。
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