本研究では、計算機が、WWW上のデータやサービスを自動的に連携するための学習推論技術を確立することを目標としている。この目標を達成するためには、(1)Webアプリケーションの部品化と連携に一階述語論理を用いるための基礎理論、(2)部品化と連携のルールをユーザやシステムの履歴から帰納的に推論するアルゴリズム、の2つのソフトウェア技術を確立必要がある。 本年度は下記の方法で研究を行った。 (1)Webアプリケーションの部品化と連携に一階述語論理を用いるための基礎理論の確立 ユーザによって部品化されたWebアプリケーションに対して、部品間の連携の要求仕様を一階述語論理によって記述し、要求仕様から推論を用いて部品を連携する手法を確立した。また、Webアプリケーションとその部品化の関係をデータベースに効率よく格納し検索するための基盤アーキテクチャを確立した。実験に用いるデータベースサーバにはPC UNIXで動作するパーソナルコンピュータを購入して用いた。また2005年に行われた「情報モデリングと知識ベースに関する日欧会議」に参加し、Web上のエージェント技術に関する研究調査・資料収集を行った。 (2)部品化と連携のルールをユーザやシステムの履歴から帰納的に推論するアルゴリズムの考案 ユーザによって部品化されたWebアプリケーションに対して、データベース上に蓄えられたWebアプリケーションとその部品化の関係から帰納的にルールを推論するアルゴリズムを開発した。これに関して2005年に千葉で行われた「第14回World Wide Webに関する国際会議」に参加し、Webページからの情報抽出技術に関する研究調査・資料収集を行った。
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