索引分散管理システムのための再編成手法の効率化に関して研究を行った。平成17年度に関しては、我々の開発してきた更新処理を基本とした再編成処理を分割することで、再編成処理を小規模な再編成処理の集合に分割し、これら分割された再編成処理の間に他の処理を挿入することにより、これら挿入された要求に対する応答時間の短縮を目指した。これは、実システムにおいては、再編成自体が障害に対する処理を除いては、もっとも大規模で、もっとも高コストな処理であり、オンラインで再編成を行ったとしても、その処理中には他の要求に対する影響は不可避であり、ユーザの視点から見ると、再編成が高速に行われるより、ユーザの要求に対する応答時間を短縮した方が、よりユーザに対して有益と考えられるため、この方式を採用した。計算機による実験により、再編成自体の処理時間はほぼ変わらず、再編成処理中に挿入した要求に対する応答時間が非常に改善していることが確認された。これらの成果を国内のワークショップで発表した。また、本研究の応用として、XML文書に対する索引を索引分散管理システムに適用した。ただし、索引分散管理システムの特徴として、その検索結果が集合となることにより、検索結果が文書順になることを求めるXML文書検索の仕様を満たさないため、文書順に並び替えるための手法の提案と、その検証を行い、国内のワークショップで発表を行った。また、現在これら内容を国際会議、学会論文誌への投稿準備中である。
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