研究概要 |
既存の目的地設定タスクを実装した音声カーナビを,施設検索まで含めた目的地検索・設定タスクに拡張することで,タスク変更の際のシステムのタスク独立性の向上についての検討を行い,タスク変更時にかかる言語理解部のタスク独立性を高めた.また,都道府県毎の音声認識用文法を半自動で用意することで,対象データが異なる場合でもシステムのコア部分の変更なしにカーナビゲーションシステムが動作することを確認した.このシステムの協調的応答戦略については,2006年3月の人工知能学会 言語・音声理解と対話処理研究会にて報告している.また,音声認識率の改善については,2005年12月の情報処理学会 音声言語情報処理研究会にて報告している. また,既存のテキスト入力によるホテル検索システムについて,音声入力を適用する手法についての考察を行った.この研究では,音声認識器が出力するN-best候補の上位5位までを,意味解析まで行ったうえで,意味理解結果をランク付けし,文脈まで考慮したうえで一番日本語として違和感のない文を正解文と判定することで,音声認識を使用する際にもなるべく文としての正解単語列を選択できるような機構について調査を行った. さらに,家電操作をするための音声対話システムの構築の前準備として、家電操作で利用可能な音声入力方式の一つとして「対象を操作(テープを再生)」「属性は値(日付は3月27日)」の2文型を前提とした統一文体を定義し,これらの統一文体において,実際のVHSビデオデッキのマニュアルから語彙を選定した上で,マニュアルに記載してあるリモコン操作を実際に音声で操作するにはどのように発話したいかを被験者を集めアンケート調査を行った. 今後は,カーナビにおける複数文法切り替え等による車内機器統一操作,家電操作における,自宅の家電前,外出先の携帯からなどの複数環境の対応,スケジュール管理等のさまざまなタスクの音声対話システムの実装等をさらに進めていく.
|