研究課題
映像の撮影を行う上で、最も基本的な操作は、フレーム枠に対象をどのように含めるかを定めるフレーミングと、カメラを動かす際のカメラワークである。ただしプロの撮影では、短い時間間隔を持つ複数のショットの接続により、映像の制作者が意図した映像内容が視聴者へ自然に伝達されるよう、映像の言語的性質が考慮される。今年度は、まず20世紀初頭から半世紀にわたって議論された映像の言語的性質として映画言語や映画文法の概念を示す文献から、ショットの配列による意味操作の概念、映像の表現技法と言語の関係を調査し、学内誌に掲載した。ディジタルシューティングでは、コンピュータが仮想的なカメラを駆動してフレーミングとカメラワークを行うことになるが、コンピュータが仮想的なカメラを駆動する手がかりが必要となる。今年度は、サッカーの試合を撮影する課題についても取り組んだ。これまでは、試合進行の状況を考慮せず、ボールと選手との動きの関係のみからディジタルカメラワークのパンニングを実現する研究に取り組んでいたが、今回、選手とボールの動きをルール化し、イベントを自動検出することにより、仮想カメラのズーミング操作を制御する手法について研究を行った。また、ディジタルシューティングの課題としては、コンピュータが仮想カメラを操作し、映像の撮影者になることから、生成された映像の品質を評価し、問題点をコンピュータにフィードバックし、映像の品質を改善する機構も必要になる。特に、ディジタルシューティングをライブ映像の撮影に適用するためには、実時間でカメラワークを評価する手法も必要になる。この課題に対し、撮影された映像の問題点を指摘する機構を研究するため、まず人間の撮影者のカメラワークを実時間で評価し、問題の指摘を行うシステムの実現に取り組んだ。このシステムを実現するために、輝度投影相関法と構造テンソルを用いた実時間カメラワーク解析法について研究し、撮影中の映像を評価し、問題を指摘する映像撮影ナビゲーションシステムの研究を行った。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (5件)
龍谷理工ジャーナル No.49,Vol.17-3
ページ: 7-12
Proc.of ICME2006(Inaternational Conference on Multimedia and Expo) (accept)
第2回デジタルコンテンツシンポジウム予稿集 (採録決定)
龍谷理工ジャーナル No.48,Vol.17-2
ページ: 9-13
画像認識・理解シンポジュウム,MIRU2005 MIRU2005,IS3-117
ページ: 1145-1151