研究概要 |
本システムにおいてはシステムに内蔵する医学知識が不可欠であり,特に基礎知識に重点を置いた医学知識の収集を行った.また,情報提供システムを現場で検証するため,検証用の対象として経皮的冠動脈形成術(PTCA : Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty)を選択した.PTCAについての情報を収集・整理し,構築済みの知識基盤に統合した. 情報提供のシステムのユーザインタフェースを構築した.専門用語間の関係をネットワークとして可視化する部分と,情報を検索する部分から主に構成される.本システムでは専門用語間の意味関係に基づいて知識基盤を構築しており,専門用語を概念としている.知識構造をネットワークとして表現する際,最初に選択した概念と意味関係に基づいて動的に部分ネットワークを抽出する.表示されたネットワークを基に概念間の関係や表現可能なネットワークの種類,視点の変更,関連する図や動画を表示する.ユーザインタフェースはペンディスプレイであるため,直感的な操作が可能である. インフォームドコンセントにおいては様々な知識レベルの利用者を想定する必要があり,特に専門知識を持たない利用者間でも各々の持っている知識に差がある.このため,生成する説明文の知識レベルを判定する評価基準が必要となる.指標作成のために対象の知識レベルが判明している文章を解析し,文の長さや品詞の使用頻度、使われている専門用語のレベル等に基づいた知識レベルの評価関数を作成した.医学に関する一般向けおよび専門向けの書籍を用いた検証で,作成した評価関数の妥当性を確認した.また,一般向けとされていても専門書と難易度が変わらない書籍の解析においては,評価関数でも同等の難易度を示した.
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