研究概要 |
本研究は,医療データマイニングにおける効率的なルール評価作業の支援システムを開発することを目的としている. 研究初年度である本年度は,開発用ワークステーションを導入し,先行研究で得られた髄膜炎および慢性肝炎に関するデータマイニング結果とそれらに対する医師の評価を従来から提案されている客観的指標群を用いてデータ化し,ルール評価モデルを構築する学習アルゴリズムの基本的な性能評価を行った.この結果,髄膜炎データマイニング結果とその評価について,ルール評価モデルを構築する学習アルゴリズムがルール評価支援に有効であることを再代入評価およびLeave-One-Outによって示した.この結果をHIS2005に投稿し,査読過程において専門家の主観的評価と客観的な指標による評価を融合する手法であるとの評価を得て,発表した.会議では,従来から行われてきた正解率や再現率などによる単一の客観的指標を用いたルール選択手法と比較して,適応的かつ支援効率の高い手法である点に関心とコメントが寄せられた.さらに,ルール評価モデル構築が一般のデータからのルールにも有効であることを示すため,UCI MLリポジトリの共通データからルールを生成し,同様にルール評価モデルの評価を行った.これらの結果をICDM-2005に投稿し,データマイニングの後処理におけるルール評価支援手法としての評価を得て,本会議において発表するに至った. 慢性肝炎に関するデータマイニング結果とその評価のデータについては,複数回にわたって行われた評価作業における医師の興味・関心の推移について,ルール評価モデルの性能および内容の変化から考察し,第72回人工知能学会KBS研究会・電子情報通信学会KBSE研究会合同研究会において発表を行った.
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