XMLデータの自動変換問題を計算学習の問題としてとらえるため、以下のようなテーマに重点をおいて研究を行った。 (1)データベースで必要となるXMLの形式を特徴づけ、対象とするXMLのクラスを同定した。現在、九州大学の大学評価システムで実際に活用されている複数レコードをもつデータ型と、通常のアンケート形式で表現されるデータ型をそれぞれ列挙型、及び反復型データとして定式化した。また、これらを組み合わせて構成される複合型データを定式化した。 (2)大学評価システムで運用されているオンラインデータエントリシステムXDES(eXtensible Data Entry System)においてデータスキーマを定義するために使われていたデータマクロをXML形式に変換し、データマクロが制限された複合型に属することを示した。この結果に基づき、データマクロをXDESに自己適用することによって、XDESが提供するデータ編集エンジンを用いてweb上でデータスキーマの作成や変更を行えるシステムを実装した。 (3)列挙型、反復型、及び複合型XMLデータを対象としたXML変換規則を定式化した。 (4)大学評価システムの実際の運用において、これまでに要求されたデータスキーマの変更の頻度や種類を分析した。また、スキーマ変更に伴って必要となる内部データ形式の変換をXML変換としてとらえ、変換の一意性問題について検討した。 (5)型を導入したEFSにより、列挙型、反復型、及び複合型データを表現できることを示し、EFS処理系を用いたデータ形式の変換システムを構築している。
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