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2006 年度 実績報告書

対話のリズムと身体性に着目した対話システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17700169
研究機関北海道大学

研究代表者

伊藤 敏彦  北海道大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (20313926)

キーワード音声言語理解 / 音声対話 / 対話リズム / 身体性 / ユーザ満足度 / 対話制御
研究概要

(1)対話リズムを重視したタスク指向型音声対話システムの開発
これまで構築・改良した、音声認識部、言語理解部、応答生成部、対話リズム生成部を統合し、本大学の建物案内用音声対話システムを構築した。
(2)意図理解システムの精度向上のための改良
対話のリズムを重視するために必要なポーズ単位の音声言語理解システムを改良した。これは、自立語、動詞などのキーワードと助詞などの付属語のそれぞれの音声認識信頼度と、対話履歴を利用し、ユーザの発話する可能性がある発話意図ごとに意図スコアを計算し、最も高いスコアの発話意図がユーザの発話した意図であると仮定する音声言語理解システムである。意図スコアの値は確信度として利用でき、ユーザ満足度の高い対話制御を行うために利用される。より精度を高めるために、全体のアルゴリズムを見直すことを行った。
(3)ロボットを用いた身体性の重要性の分析
実際のロボットを用いて、音声対話システムにおける身体性の重要性の実験を行った。特に、発話タイミングとジェスチャのタイミングの自然性、相手の発話中のジェスチャの自然性に注目し、実験を行った。実験の結果、タスク指向型の音声対話システムにおいては、音声認識、言語理解性能がある一定以上の精度がない場合、そちらの方の不自然さに注目が集まり、身体性の自然さなどに意識が行かないことがわかった。また、ジェスチャの使い方により、ユーザの発話をある程度制御できる可能性を得た。
(4)対話制御に関する嗜好性の分析
音声対話におけるユーザの対話相手に関する嗜好を分析するために、擬似音声対話システムを開発し、被験者を用いた被験者実験を行った。実験から対話相手の対話制御に関する嗜好が存在すること。その嗜好により、印象が大きく変化することなどがわかった。
(5)タスク指向対話における発話意図と対話リズムの関係の分析
これまでの対話リズム生成部のアルゴリズムは、音響的特長と音声認識結果中のキーワードだけを用いたものとなっていた。しかしながら、実際の発話タイミング、F0、話速などは、発話内容にも依存していると考えられる。そこで、より自然な対話リズムの生成には、発話意図を考慮した対話リズム制御が必要であると思われる。そこで、本タスクに関する様々な状況の自然な音声対話を大量に収集し、発話意図や対話構造によって、ユーザ発話の言語的・音響的特徴や対話リズム、同調作用がどのように変化するか分析し、様々な知見を得た。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 音声認識・言語理解性能や状況の違いによるタスク指向音声対話の言語的・音響的特徴の比較2007

    • 著者名/発表者名
      伊藤 敏彦, 山田 真也, 荒木 健治
    • 雑誌名

      音響学会論文誌 (採録決定)

  • [雑誌論文] 対話文脈を利用した構文意味解析2007

    • 著者名/発表者名
      池ヶ谷, 野口, 小暮, 伊藤, 小西, 近藤, 麻生, 高木, 伊東
    • 雑誌名

      人工知能学会 (採録決定)

  • [雑誌論文] 認識信頼度と対話履歴を用いた音声言語理解手法2006

    • 著者名/発表者名
      藤原, 伊藤, 荒木, 甲斐, 小西, 伊東
    • 雑誌名

      電子情報通信学会論文誌 D Vol.J89-D No.7

      ページ: 1493-1503

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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