研究課題
本研究の目的は、テレマティックス音声対話におけるドライバの操作負荷を定量化することである。本年度の成果は以下の通りである。(1)車載音声対話システム設計のガイドラインを作成し、その一部を2つの国際会議で発表した。これは財団法人日本自動車研究所の活動の一環として行った。(2)国際会議等でテレマティックス音声対話の研究動向を調査した。音声認識で使われる信号処理や確率モデルなどの手法がドライバや運転状況の識別に有用であること、高品質音声合成、対話制御、マルチモーダル入力など対話システム構成要素に関する最新の研究成果を踏まえた研究が重要であること、などの知見を得た。(3)頭部モーションセンサと音声入力を併用した入力システムの試作検討を行った。ユーザの音声入力に対するシステムの応答を聞きながら頭を縦や横に振ることにより肯定や否定を意思表示を行う入力インタフェースの提案と試作、評価用モーションデータの採取を行った。(4)音声対話システムの設計に必要な知見を得るために、対面朗読者と視覚障害者の対話を分析した。対面朗読者は音声対話によって問題解決を支援する専門家である。ケータリングメニュー選択の対話を分析した結果、ショッピングカートモデル型の対話制御、音訳ボランティア固有の読み上げ技術、大局的理解や双方向性などの対面朗読技術など、実現可能性のレベルに分けて技術要素を整理することができた。(5)早口音声合成の実装と評価に関する検討を行った。早口合成音声は、テレマティックスにおいて情報の効率的な伝達に有用である。また、早口音声を聴取する課題は、視覚に依存せずに実施できる対話負荷の評価手法としても有望である。
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Biennial workshop on Digital Signal Processing for In-Vehicle and mobile systems (Sesimbra, Portugal) Vol.2(CD-ROM)
ヒューマンインタフェースシンポジウム2005講演論文集
ページ: 601-604
日本音響学会2005年秋季研究発表会講演論文集
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12th ITS World Congress (San Francisco) Vol.12(in CD-ROM)
電子情報通信学会技術報告 WIT2005-75
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