研究課題
本研究の目的は、画像処理により屋内や屋外に配置されたカメラ映像を解析して、人物の位置やその動向を認識するシステムを開発することである。本年度は以下に述べるように、構築するシステムのための基盤となる技術の開発を行った。まず、カメラの映像に写る人物を頑健に追跡するために、人物の歩行軌跡の学習に基づく移動軌跡の予測と歩行経路の推定の手法を考案した。これは従来手法により予測された軌跡をより精度のよいものへと修正することを目的としたものである。通常は学習によって生成される固有空間では対応できない情報を、固有空間とは直交する零空間から情報を得ることで、さまざまな事前情報としての制約条件をみたし、かつ予測を行うという、これまでにないアプローチを採用した新規なものである。実環境における実験では、従来法よりも性能が向上したものの、期待した精度はまだ得られていない。この手法の性能を向上させるには前処理などの他の影響を考慮するべきであるということが判明しているので、今後は処理の総合的な改善を行う必要がある。また単一カメラ映像から抽出・認識する対象が障害物に遮蔽されている場合に、安定して認識を行うための遮蔽検出と対象復元の技術の開発を継続し、処理性能を向上させた。さらに、人物や物体の見え方により認識する手法を開発し、高速な処理の実装方法を考案した。これを発展させ、多数の物体の姿勢を見えにより頑健に学習し推定する手法を開発することが今後の検討課題である。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
電子情報通信学会技術報告 パターン認識・メディア理解研究会 Vol.106,No.605
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