研究課題
頭部近傍の高臨場感音場再現で使用する音響伝達特性を計測するために、小型ダイナミック型スピーカを正十二面体の各面に配した計測用音源を作成し評価を行った。本年度、得られた成果は次の2点である。1)小型十二面体音源の改良、2)他形状の計測用音源の作成および比較、である。正十二面体小型音源は、アルミ製のフレームを作成し、このフレームに小型ダイナミック型スピーカを設置することにより計測用音源を作成した。これにより、先に開発した圧電素子を用いた小型音源で生じていた、2[kHz]以下の低域および7[kHz]付近での音圧レベルが著しく低下するという問題点を改善することができた。続いて、他の計測用小型音源の形状として、正四面体、正六面体を作成し、形状による差異について評価した。音響計測においては、点音源を用いることが望ましいとされている。作成した計測用小型音源を用いて、音圧レベルの距離減衰を調査した結果、調査対象の音源の中で正十二面体の音源がもっとも点音源に近い特性を示すことが確認できた。これにより、頭部近傍の音響特性の計測のみならず、小型模型を用いた空間音響計測にも用いることが可能な音源の可能性を示すことができた。作成した正十二面体計測用音源を用いて、頭部近傍に音源を配した場合の頭部伝達特性(Head-Related Transfer Function : HRTF)を計測し、データベースの構築、ならびに距離・音源方向に関したHRTFの解析が今後の課題である。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (3件)
日本音響学会2007年春季研究発表会講演論文集 1巻
ページ: 701-702
Proc. IEEE International Conference on Acoustics, Speech, and Signal Processing (ICASSP 2006) 5巻
ページ: 329-332
Proc. The 9^<th> Western Pacific Acoustics Conference (WESPAC IX) 1巻
ページ: No. 397