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2006 年度 実績報告書

演算量にスケーラビリティを有するH.264エンコーダ

研究課題

研究課題/領域番号 17700188
研究機関大阪電気通信大学

研究代表者

藤田 玄  大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 講師 (30304025)

キーワードH.264 / 動画像符号化 / 演算量 / スケーラブル / 高速化 / 高画質化
研究概要

H.264/AVC動画像符号化は,可変ブロックサイズ,1/4画素精度の動き補償,フレーム内予測等の様々な新しい符号化技術を導入しており,符号化時に設定すべきパラメータの種類が従来のMPEG-4 ASPに比べて多岐に渡る.これにより,MPEG-4 ASPに比べてビット量を約50%削減可能であるが,その一方で符号化時に必要な演算量は4倍以上に増加している.
このため,H.264向けの演算量削減アルゴリズムがこれまでに数多く提案されている.これらのアルゴリズムは,リアルタイム処理などのように演算量に制約がある条件下で極めて有用である一方,削減に伴う画質の劣化も発生する.しかし,これらのアルゴリズムで削減される演算量や画質に与える影響は動画像シーケンスによって大幅に異なるため,演算量や画質にばらつきが生じる.特に,演算量のばらつきは,時間制約のある条件下では,大きな問題となる.
そこで,入力される動画像シーケンスに合わせて符号化パラメータの探索範囲,符号化パラメータを設定するアルゴリズム(以下パラメータ設定)を適切に選択することで,演算量の制御を行う.更に演算量を制御すると同時に,パラメータ設定を固定した場合に比べ,画質の向上が期待できる.
本研究ではまず,パラメータ設定と動画像シーケンスが演算量,画質へ与える影響の調査を行い,パラメータ設定が与えられた場合の,演算量,画質の推定値をモデル化をおこなった.具体的には,調査結果から各パラメータ設定と演算量の関係が,動画像シーケンスに存在するもの,ビットレートに依存するもの,それ以外の値に依存するものに分類する.画質に関しても,最も高い画質が得られるパラメータ設定を基準値とした場合の,各パラメータを適用した際に起こる画質低減量の推定値を,演算量と同様に動画像シーケンスの特徴量やビットレートを用いてモデル化を行った.
提案手法では,演算量・画質のモデルを用いて,割り当てた演算量内で,画質の低減が少なくなるように動画シーケンスの特徴に応じたパラメータ設定を行うことで,動的な演算量割当てを実現する.提案手法を用いることで,誤差10%以内の符号化時間での符号化を実現するとともに最大約0.4dBの画質の改善を実現した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 低動作周波数によるH.264 CABACのリアルタイム処理実現手法2006

    • 著者名/発表者名
      藤田玄, 大窪啓太, 上甲憲市, 才辻誠, 尾上孝雄
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告 SIP2006-34

      ページ: 19-23

  • [雑誌論文] 時間的・空間的隣接ヘッダ情報に基づくH.264イントラ予測モード判定手法2006

    • 著者名/発表者名
      加藤 公也, 橋本 亮司, 藤田 玄, 尾上 孝雄
    • 雑誌名

      電子情報通信学会ソサイエティ大会予稿集 A-4-12

  • [雑誌論文] H.264符号化における演算量動的割当ての一手法2006

    • 著者名/発表者名
      橋本 亮司, 藤田 玄, 尾上 孝雄
    • 雑誌名

      第21回ディジタル信号処理シンポジウム D8-1

  • [雑誌論文] VLSI Architecture of H.264 Block Size Decision Based on Rate-Distortion Optimization2006

    • 著者名/発表者名
      R.Hashimoto, K.kato, G.Fujta, T.Onoye
    • 雑誌名

      Proc. ISPACS

      ページ: 618-621

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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