研究概要 |
補聴器における音圧増幅の前処理としての,多段砂時計型ニューラルネットワークを用いた雑音除去フィルタの有効性を評価するために,異なる雑音除去フィルタの(1)SN比改善率の比較(2)聴覚実験による聴き取りの良さの比較を行った.実験試料として,音量一定の白色雑音を加えた音量の異なる7種類の音声をCSNNRFで処理したもの,さらに,処理結果を一定の聴き易い音量に増幅させたものを用意した.上記の処理結果を,処理前の音声,およびローパスフィルタ,カルマンフィルタの処理結果と比較した.評価の結果,SN比改善率においては,CSNNRFの雑音除去能力は,カルマンフィルタと同等の高い雑音除去能力があることがわかった.聴き取りの良さにおいては,CSNNRFは有声子音の聴き取りを悪くさせ,音量の増幅のみでは,聴き取りの良さはさほど向上しないことがわかった. 来年度は,これらの結果をまとめ,投稿論文を投稿するとともに,DSPキットによる実装を行うことで本研究の成果とする.
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