研究概要 |
1.研究の背景 ウェアラブルシステムを用いたユーザー支援システムは,二一条生活をサポートするシステムとして期待されている.このようなユーザー支援システムの一例として,日常生活の様子を常時記録し,得られた記録情報を元に記憶想起を補助するシステムがある.記憶の補助を行う場合,大量のセンサ情報を要約し,ユーザーに提示する必要がある. 2.研究の目的 本研究では,ユーザーの頭部に装着した小型のビデオカメラを用いた視線方向の映像,生活環境に設置したカメラの映像,他のユーザーに装着したカメラ等の撮影方法の異なる複数のカメラ映像を組み合わせて扱うことで,ユーザーの行動やユーザーの周辺環境に対する作用など,ユーザーに関する情報の自動獲得を行う.情報を獲得する際は,ユーザーによる再利用を考慮し,映像間の関係や映像に写された特定の物体に対する関係などに基づき,情報を構造化して記録する. 3.研究の成果 本年度の研究では,日常生活空間で発生する物の移動などの環境変化に強い画像処理について提案を行った. (1).移動物体と安定した背景の分離 オクルージョンなどの変化に強い局所特徴量を用いた画像比較のアルゴリズムに対して,移動した物体と変化の無い背景を安定して分離する手法を提案した.また,本手法を日常で利用している机の上の変化について適用し, (2).蓄積画像に対する物体の移動を介した場所の関係獲得 蓄積した画像から,場所(変化の無い背景)と物(移動した物体)を自動抽出し,抽出した物や,場所を用いて比較することで,物の移動の軌跡が求められた.
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