研究概要 |
平成17年度は,先に開発した自動グループ構成手法(Automatically Defined Groups ; ADG)によるルール抽出手法と,柔軟な分類能力を持つニューラルネットワークの融合方法の検討を行った.平成17年度の研究成果を以下に示す. 1,ADGによるルール抽出を中間仮説生成システムとして,ニューラルネットワークによる分類を中間仮説に基づく統合的診断システムとしてとらえた新しいデータマイニング手法の検討を行った.具体的には,最適化の流れを,ADGによる中間仮説の抽出と,抽出した中間仮説を入力としたニューラルネットワークの学習の2段階に分けて設計した.中間仮説生成段階では,エージェント群による投票モデルを用いる手法を提案した。この方法により,疾患の診断に重要な複数の危険因子とその重みを自動で抽出することに成功した. 2,統合的診断システムとして利用するニューラルネットワークとして,フィードフォワード型のネットワークを用いた実験を行い,分類が有効に行えることを確認した.また,比較対象として,中間仮説を用いずにデータを直接ニューラルネットワークに入力し学習する場合の実験を行った.この中間仮説を用いない方法によってもデータの分類は可能であったが,診断のための知識の抽出は困難であり,提案手法の有用性を確認することができた. 3,実験では知識獲得の対象として,心疾患データベースを用いた.心疾患データの特性を把握し,ルール表現に適切な遺伝的プログラミングの記号設定について検討した.
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