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情報利用者が情報リテラシー(スキル)を習得していても、情報探索の成功が妨げられてしまうことがある。原因のひとつとして「情報不安(information anxiety)」の影響が指摘されている。本研究は、図書館の蔵書目録(OPAC)をはじめとする各種データベースを主な対象とし、「不安」を生起させる要因を分析し、「不安」を軽減する方策を明らかにするとともに、その方策に基づくインタフェースを開発することを目的とする。かかる目的を達成するため、今年度は、インタフェース開発に向けた基礎的段階として、「情報不安」および重要な関連概念である「図書館不安」をめぐる理論や実態を把握するための調査・分析を進めた。すなわち、まず、情報(図書館)不安に関する国内外の先行・関連文献を、データベース以外を利用する場合を対象としたものも含めつつ、幅広く収集し、分析を行なった。また、情報(図書館)利用者を対象とした観察・面接調査等に向けた予備的調査として、図書館(情報)不安が発生する要因ならびに軽減させる要因について、図書館職員(元職員を含む)に対して面接(聴き取り)調査を実施した。これらのことから、例えば自分以外の図書館利用者の振る舞いなどといった多様な要素が「不安」の発生あるいは軽減に関係していることが把握された。なお、並行して、不安を軽減させるインタフェースの要件を把握するための実験計画を検討した。次年度は、さらなる調査や実験を行いながら、多様な要素を含み込むかたちで情報(図書館)不安および関係する要因について整理しつつ、目的とするインタフェースの開発を進めていく予定である。
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