研究課題
がん臨床研究で得られる多変量生存時間データの解析方法に関して以下の検討を行った。・繰り返しイベント(再発イベント)及び異なる種類のイベントデータの解析実データとして抗がん剤膀胱内注入療法の効果を調べるための表在性膀胱がんの臨床試験データを取り上げ、再発パターン(同一部位からの再発かどうか)を考慮したモデル化について検討した。同一部位から及び異なる部位からの再発までの時間の相関はほぼ0と推定されたため、いずれかの部位で再発するハザードは両者のハザードの和で表現可能であった。ただし、その形状は差異が見られた。抗がん剤注入療法はいずれの部位の再発に対しても有効であることが示唆され、臨床的に興味ある結果が得られた。・クラスターデータの解析胃がんの多施設臨床試験データを取り上げ、施設問でのOutcomeの違いについてFrailty Modelを考慮した。統計パッケージWinBUGSを用い、パラメータ推定方法としてベイズ流のアプローチを予備的に試みた。詳細な解析については、来年度継続して行う予定である。・多段階遷移データ及び競合危険データの解析実データとして、血液がんにおける臍帯血移植テータを取り上げ、ABO型のミスマッチの影響やGVHD(graft-versus-host disease)の影響について検討した。競合危険が存在する場合でのCumulative Incidenceやcause-specificハザードの推定に関して検討した。また、特に統計パッケージSASを用いてのプログラムの精査も行った。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (4件)
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