研究課題
従来、Mixi等のSNSとの構造比較などを行ってきたが、既存の社会ネットワーク分析の手法を用いても生物学的に意味のある結果が得られなかった。そのため、新たなネットワーク分析手法を構築した。タンパク質ネットワークや社会ネットワークでは平均最短経路とクラスター係数が重要な変数となるため、この問題をこの2変数に対する多目的最適化問題として定式化し、進化計算を用い最適なネットワーク形状を自動生成する手法を確立した(原著論文として発表)。本法により、例えば、実際のネットワークと最適化されたネットワークとを比較することで当該ネットワークの特徴付けを行うことを可能にした(現在、この手法を用いた比較研究を行っている)。また、より一般的な相互作用系の基盤系として化学系に着目し、生化学反応のみならずマルチエージェント系などにも応用可能な計算モデルを構築した(原著論文として発表)。本法はそれまで用いられていたGillespie法と比較し、本質的に計算効率を向上させた(確率系として提案されていたが、確率を用いなくても同等の結果が得られることを理論的考察と計算機実験で示した)ものとなっている。また、最終年度にあたりこれまでの研究を鑑み、本研究の基盤である"アナロジー"の概念は"計算"の視点で考えると自然系と社会系に共通した新たな基盤となることの気づき、2007年に人工知能学会にナチュラルコンピューティング研究会を設立し、12月には名古屋大学において国際ワークショップを開催した(参加者75名、講義録はSpringer Verlagから出版予定)。
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Computing and Informatics In printing
J. of Artificial and Robotics accpted
Journal of Parallel, Emergent and Distributed Systems 22
ページ: 91-102
コンピュータ ソフトウェア 24
ページ: 91-101