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2005 年度 実績報告書

Reelinシグナル下流因子の発現制御と発生過程での機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17700310
研究機関神戸大学

研究代表者

勝山 裕  神戸大学, 医学系研究科, 助手 (10359862)

キーワード神経発生 / 遺伝子発現 / 脳形態
研究概要

本研究では新規Reelinシグナル関連遺伝子であるmSno1とそのゼブラフィッシュ相同遺伝子群の解析を行った。まずmSno1がReelinシグナルによって制御されていることの検証として、Reelin受容体ApoER2とmSno1のマウスの中枢神経系での発現パターンをin situ hybridizationによって比較した。E11.5において両遺伝子は神経上皮細胞に均一に発現していることが分かった。この後、両遺伝子は神経管の放射方向に沿って不均一な発現を見せるが、これについて極めて類似していることが分かった。発生後期になると両遺伝子は大脳皮質や海馬、小脳といった領域に限定された発現分布を見せるようになっているが、この発現パターンも同様であった。成体脳では小脳において類似した発現が見られたが、その他には類似性は見られなかった。胚発生過程での遺伝子発現パターンの解析はゼブラフィッシュで行う方が容易なので、我々はゼブラフィッシュからmSno1類似遺伝子のクローニングを行った。その結果、3つの似た配列を持つ遺伝子がある事がわかり、それぞれzfSno1, zfsno2, zfsno3と名づけた。cDNAの全長配列を決定した結果、zfSno1, zfSno3がmSno1に相同であり、zfSno2はマウスがもつもう一つのstrawberry notch関連遺伝子に相同であることが示された。whole mount in situ hybridizationを行った結果、zfSno1, zfSno2が極めて似た発現パターンを見せるが、zfSno3は神経系で発現していないことがわかった。zfSno1, zfSno2はepibly期に発現を開始する。この時期には胚の背側に転写産物が多く、動物極側腹側には円状に発現が見られない部分があった。休節期には胚全体に発現が見られるが、特に眼原基で顕著な発現が見られた。更に発生が進むと発現は中枢神経系に限定されて行った。興味深いことにzfSno1の発現は受精後3日目に内胚葉と思われる組織において左右非対称に見られた。脊椎動物におけるstrawberry notch関連遺伝子の機能を明らかにするためにzfSno1, zfSno2のアンチセンスモルフォリノを作成し、顕微注入して内在性タンパクの合成を特異的に阻害した。その結果、注入胚では体節のパターンに異常を生じた。また頭部においても形態異常が見られた。ニューロンの早期マーカーでin situ hybridizationを行うと神経細胞分化、そのものには影響がないらしいことがわかった。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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