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2005 年度 実績報告書

脳弓下器官神経回路網の構造と機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17700319
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

檜山 武史  基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, 助手 (90360338)

キーワードチャンネル / ノックアウトマウス / バイオ分子センサー / 正中隆起 / 下垂体後葉 / 神経内分泌 / グリア / 2光子
研究概要

Na_xチャンネルは電位依存性ナトリウム(Na)チャンネルファミリーに属するが,膜電位の変化によっては開口しない。我々は、これまでに、このチャンネルが細胞外のNaイオン濃度の生理的範囲の上昇に応答して開口するNaレベルセンサーであることを明らかにした。また、Na_xが、脳室周囲器官の一つである脳弓下器官において体液Naレベル増加の検出に関与することを明らかにした。しかし、脳弓下器官におけるNa_xの発現の詳細は不明であり、この知見は、体液Naレベル検出におけるNa_xの役割を明らかにする上で重要な課題となっていた。そこで、中枢におけるNa_xの発現を詳細に検討した。免疫電子顕微鏡法により調べたところ、Na_xが脳室周囲器官の脳弓下器官と終板脈管器官において、グリア細胞である上衣細胞と星状細胞から伸長したニューロン周囲の薄膜状突起に発現することが判明した。脳弓下器官から単離した細胞においてNaイオン・イメージングを行なったところ、上衣細胞及び星状細胞のマーカーであるグリア線維性酸性蛋白質(GFAP)陽性の細胞において、細胞外Na濃度の増加に応答したNaイオン流入が観察された。以上より、体液Naレベル検出中枢である脳弓下器官においては、Na_xチャンネルを発現するグリア細胞が体液Naレベルの生理的増加を検出し、ニューロン活動を制御していることが示唆された。このことから、脳弓下器官の神経回路網の機能を調べる上で、グリア細胞とニューロンとの相互作用を明らかにすることが重要であると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Sodium-level-sensitive sodium channel Na_x is expressed in glial laminate processes in the sensory circumventricular organs2006

    • 著者名/発表者名
      Watanabe E, et al.
    • 雑誌名

      American Journal of Physiology 290・3

      ページ: R568-R576

  • [雑誌論文] Sodium-level-sensitive Sodium Channel and Salt-Intake Behavior2005

    • 著者名/発表者名
      Noda M, Hiyama TY
    • 雑誌名

      Chemical Senses Suppl 1

      ページ: i44-i45

  • [雑誌論文] 脳内ナトリウムセンサーNa_x2005

    • 著者名/発表者名
      檜山武史, 野田昌晴
    • 雑誌名

      生物物理 45・5

      ページ: 247-252

  • [雑誌論文] Na_xチャネルの脳内ナトリウム濃度センサーとしての生理機能2005

    • 著者名/発表者名
      檜山武史, 野田昌晴
    • 雑誌名

      生体の科学 56・3

      ページ: 199-205

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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