研究課題
1.新規アルツハイマー病(AD)治療薬導入による客観的画像評価と、脳脊髄液サンプルを用いたAD発症メカニズムの解明アセチルコリン神経の賦活作用を有する漢方薬の加味温胆湯を脳血管障害を伴ったAD症例に投与すると認知機能レベルだけでなく脳血流シンチにても改善効果を有することを確認した(J Am Geriatr Soc.2006)。また高血圧症がAD発症のリスクファクターであることが諸外国から報告されるようになり、その理由として脳内のACE活性上昇が軽度認知機能障害患者で目立っており、このことがAD発症に関与する可能性があることを脳脊髄液サンプルを用いて明らかにした(Neurology.2006.)。2.AD病理のモデル動物を用いた生体診断システムの確立AD病理学的変化を形成するトランスジェニックマウスにアミロイド斑を特異的に認識するPittsburgh Compound-Bを投与しmicro PET scanすると、生体レベルで病変部を3次元的に観察できることを証明した。PETイメージング剤を開発するにあたっては、ヒトに応用する前段階にモデル動物を用いてPET scanすることがトレーサーの動態、結合特性をモニターするための重要なアプローチであることを示した(Maeda J.et al.in press.)。3.ADの病理学的変化を画像化した臨床PET診断BF研究所と東北大学で共同開発されたアミロイド斑に特異的に結合する化合物であるBF227をPETイメージング剤として、ヒト臨床応用した。AD症例では健常者に比較し有意に集積の増加を認め、AD画像診断薬としての効能を有することを確認した。これはADの病理学的変化を描出するために本邦において初めて開発された診断薬を投与しPET撮影した臨床報告である(J Nucl Med.2007.)。
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